就職活動に取り組む上で知っておきたい、理工系学生ならではの特徴。専門外の就職について10 理工系学生の就職は、技術、研究開発等、専門性が実用に直結する分野が多く、専門分野の延長上にある企業や団体に就職するという傾向が強いです。専門性が活きるということは、工繊大で学び得た強みが発揮されるだけでなく、後述する課程?専攻での学校推薦など、就職しやすさの点での優位性があるといえるでしょう。 自分の研究?専門分野が、企業の専門性と重なる部分が多ければ、そこでの就職において、工繊大生の適性や優位性は高いといえます。特に理工系学生がその専門性と理工系知識を活かせる職務としては、製造系の業務が挙げられます。 専門性の延長上の職に就くというのは主流である一方、経済の複雑化や国際化といった環境の変化によって、かつてに比べれば専門性との相関の低い分野への就職も増えてきています。 「文系就職」:文系の学生が数多く志望する分野への就職を指し、総合商社等が人気です。コンサルティング業界では、もはや新卒学生の文?理割合はほぼ同じか、企業によっては理工系が文系を上回ることもあると言われています。金融業界でも、クオンツのような金融工学、デリバティブの開発、フィンテックには情報システム等、理工系知識が不可欠の職務があります。また、弁理士の8割以上が理工系である等、知財分野も理工系優位な業務と言えるでしょう。 ただし、こうした商社、金融やコンサルティングの業界は、給与水準が高いことや、そもそも学生に人気のある分野である分、選考も厳しいことを忘れてはいけません。 「専門分野外就職」:自身の課程?専攻の専門分野とは異なる業界?職種への理工系就職。例えば生命系からIT業界、化学系からプラント業界、物理系から自動車メーカー等、専門は違っても普段の研究や勉強の中で身に付いている「論理的思考力」「数理能力」「データ分析?解析力」「問題解決力」等の理工系の基礎能力を使って、ある分野の知識があまりないとしても、短期間でそれを理解し、結果を出す力がありそうかどうかが判断されます。められる業務例ることは何より大切です。どんな研究をしているのか、どんな分野に興味を持っているのか、必ずしも「研究業績」として完結していなくともかまいませんが、しっかりとした「視座や視点」「研究?学問への姿勢」を持っている人材に、企業は魅力を感じます。社会人経験の無い新卒就職では、常に企業は「ポテンシャル」を測ろうとします。「この人なら活躍してくれそうだ」「会社に貢献してくれそうだ」というイメージをいかに伝えることができるか。その訴求のため、研究においての取り組みは理工系学生としての「強み」のアピールとして最も効果的なものとなり、在学中最も磨きをかけるべきものと位置づけられます。 結果として、しっかりと研究に取り組んだ学生が、企業からもそのポテンシャルを評価され、就活においても好結果に結びついていることが、毎年実績として出ています。 研究、開発、設計、製造技術、生産技術、 生産管理、品質管理 等 「研究開発?製造部門」は、実務社会において理工系キャリアの主流であり、工繊大卒業生の多くがこの部門を経て、さらに上級管理職、経営者となり、活躍しています。 近年成長著しいIT分野においては、仮にITの専門性が無くとも、理工系学生の親和性への期待は高く、自ずと工繊大生への期待も高い分野と言えるでしょう。現在の企業?団体で、それを事業の主目的とするかどうかは別にして、ITに関わりのない事業体はありません。企業において、ITを応用した管理抜きに、経営は成り立たないと言っても過言ではないからです。 事務(人事、経理、企画等)、営業 等 技術営業(技術+営業)、知財特許(技術+法律)、SE(技術+業務の知識)、コンサルタント 等■ 製造系業務の具体例■ 文系業務の具体例■ その他、理工系的要素と文系的要素の両方を求留意すべき点(研究のアピールが「強み」) 「理工系学生」としてのポテンシャルをしっかりとアピールす特徴12理工系学生の就職について
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